かにまみれの思い出
「かに」と聞いて私が思い出すのは、大晦日に祖母が用意してくれたタラバガニです。
みんなが集まる日だからと少し奮発してくれたタラバガニ。いつもの食卓が、かにまみれになりました。
お腹いっぱいになるまでタラバガニを食べた、そんな記憶と共に大晦日に親戚がたくさん集まった時のにぎやかさや、祖母の嬉しそうな顔も思い出されます。
そういえば、いとこと最後のかにを取り合ったなあ。勝ち取ったのは誰だっけ。
かにアレルギーの父は、我慢できずに少したべてたっけ。
どんどんあの日のことが思い出され、暖かい気持ちになります。
かにまみれの記憶が連鎖して、今は少し遠くなってしまった幸せな思い出が蘇るのです。
だから私は、かにが好きです。もちろん味や食感も好きですが、かにを見たり食べたりしたときに蘇る記憶も魅力の1つだと思います。
かには高級なので、特別な日や旅行で食べることが多いです。
またそんな時一緒に食べる人は、家族、恋人、友達などの大切な人です。
かにを食べるのは時間がかかるので、かにを一緒に食べた人と過ごした時間も長くなります。
つまり、かにまみれの思い出は幸せな記憶に繋がっています。
そんなかの魅力に気づいた今、私は叶えたい夢があります。
それは、祖母のようにかにまみれの思い出を自分の子どもや孫に届けることです。
私は当時、祖母がなぜ、孫たちがかにを食べているのを見てるだけで嬉しそうに笑っているのかが不思議でした。
しかし今なら分かります。きっと祖母は、かにまみれの思い出を私たちに作ることができたことに幸せを感じていたのだと思います。
私もそんな風に、かにで人に幸せな思い出を届け、自分も幸せになるという生き方をしたいです。
それに気づかせてくれた祖母に感謝します。そして、かにまみれの思い出は最高です!